気掛かりがようやく一つの結論に達した。

「一人のアホが踊る。その時、人は見ないふりをしたり、こっそり指差して嘲笑う。しかしそれを真似る人が現れ、それが一人増え、二人増え、五人に達した時、人は立ち止まって眺め、そのうち幾人かはそれを真似る人を真似て踊りだす。それが10人を超えた時、真似る人は加速して増え広がり、やがて一人のアホは創始者と呼ばれ、大きなムーブメントとなる。」

誰の言葉かは知らないが、この話はレイちゃんに教わった。詳細は違うかも知れないけれど。

事業化、と考えては間違いなのだ。つまり、私はアホに(今もそうだがもっと徹底的に)ならねばならない。

私はカリスマという言葉が大嫌いだ。自己愛の極みとしか思えない。しかしそれは、私のアホになり切れぬ衒いなのかも知れない。この際、人が私を何と呼ばわろうが、衒いを捨てて見世物にでも何でもなる覚悟を決めなければならないのだろう。

芸術家が創作活動をする時、顧客におもねったりするだろうか?創造の動機は自分の裡にある衝動以外にない。それを気に入る人がどんなカテゴリーに入るか、見込み顧客など想像できる筈がない。

私も今までそうして生きてきたはずだ。誰かの真似ではない、私独自の哲学と情熱で、この仕事も、また他の表現活動も、営んできたのだ。それを見た人が図らずも気に入って集まって下さった。私の仕事が売れた理由は、使う道具や資格制度などのシステムではない。自分の営みをビジネスのカテゴリーに入れた時から、何か大きな考え違いを起こしていたような気がする。私は道具を売ることを考えてしまった。そうではない、売るべきものは、私の哲学、私の生き方そのものなのだ。

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落合美沙

落合美沙

代表理事一般社団法人日本イーブンハート協会
一般社団法人日本イーブンハート協会 代表理事 イーブンハートスクール校長 心理カウンセラー、フィトセラピスト、アートセラピスト イベントプロデューサー