交流分析アドバンス講座、スタート。
自我状態のPAC理論を更に詳しくした二次構造分析で、幼い頃に影響を受けた人や体験が、今の自分にどう影響しているのかを検討する。

幼い頃の出来事をよく記憶している人も、ほとんど思い出せない人もいる。私は仕事柄もあり、心理学を学んだ動機が過酷な子ども時代の刷り込みから自由になるためだったこともあり、かなり詳細に思い出せるが、普通の生活をしていたら、それを思い出す機会もあまりないだろう。

今、何らか自分の思考、感情、行動に不都合を感じながら、なかなか改善できないことがあるとすれば、それは知らず知らずのうちに親や周囲の大人から刷り込まれたやり方を取り込んでしまっていたり、幼い頃に身につけてしまったやり方を今も手放せないでいるのかも知れない。

幼い頃を振り返ることは、今のやり方が「今ここ」に相応しい、本当に自分らしいやり方なのかどうかを検討するためだ。幼い頃の記憶は、必ずしも現実にどうであったかに関わらず、幼い自分の想像の産物であることも多い。昔の自分や家族の状態を、昔のことを知っている人に尋ねてみるのも、何が起こったのかを客観的に知るために役に立つことがある。親と昔話をするのも、当時言えずに心残りになっていたことを伝える機会になる。

私ももう娘が大きくなってから、いっとき母と派手なバトルを演じたことがある。私はずっと「親孝行な良い娘」だった。急に怒り出した娘に母は随分と戸惑ったことだろうが、それをきっかけに、今は過酷な時代を共に生き抜いた「同志」としての絆が深まったように思う。そんなことをしたら取り返しがつかないと恐れる人も多いだろうが、必ずしもとは言えないが、概ね、親子は親子だ。子が親を求めるのと同じように、親も子どもを捨て切ってしまうことは寂しいものだ。思いの丈を伝え合った後に、新しい関係が生まれることもある。

親子は良くも悪くも一生の繋がり、いや、私たちは死んだ親にさえ、時には愛されたいとどこかで願っている。できるものなら生きているうちに、心残りのないように伝え合えたら良いなあ、と思う。

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落合美沙

落合美沙

代表理事一般社団法人日本イーブンハート協会
一般社団法人日本イーブンハート協会 代表理事 イーブンハートスクール校長 心理カウンセラー、フィトセラピスト、アートセラピスト イベントプロデューサー