私のやりたいことは「教育」に尽きる。治療の本質も、教育なのではないか、と常々思う。

子どもだけではない。人は生涯成長する生き物だ。病とは、心身両面においての「歪み」が表面化したものと言える。何が起きていて、何が不足しているのか、また何が過剰なのかを正しく知り、それを修正するのは、本人の行動変容以外にはない。薬物療法など外的治療は、それを補助したり促進する役割に過ぎない。

精神疾患を通して、人に対する信頼や愛情の在り処、自分の感情や欲求と向き合うことを学んだ人は、概ね早期に改善していく。体の疾患も同様に、もともとの体質と日常生活との間に折り合いをつけることで多くは回復を見る。

加齢による不調もまた、人間であるからには衰えを避けられない体と付き合いながら、そこから先の人生をどう生きていくか、という課題を内包している。自分の更年期の不調を通して、今私は人からの助けを得るという課題に向き合っている。それは自分のありようを受け入れることと、他者への信頼の学びだ。

人はいつか弱る。そのプロセスの中で、更に学ぶことは多い。上昇に向かう学びと、老いていく学び、共に良い人生のために必要不可欠だ。

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落合美沙

落合美沙

代表理事一般社団法人日本イーブンハート協会
一般社団法人日本イーブンハート協会 代表理事 イーブンハートスクール校長 心理カウンセラー、フィトセラピスト、アートセラピスト イベントプロデューサー