はあ、眠られず深夜のボヤキ。
うちのカウンセリングには精神病域の方もいらっしゃる。病気の仕組みや症状の意味、対処法なども毎回丁寧にお話ししているのだが、長病みのクライエントでさえ、医療機関でそれらの正しい知識を何も教わっていないことに愕然とさせられることが多い。
昨今精神科、心療内科には、大勢の患者が詰めかけ、予約はひどいと1ヶ月待ち、3分間診療で、病院でもその余裕がない現状は理解できるし、これだけ爆発的に心を病む人が増えているのは、社会全体の問題だから、医師の責任でもないのだろうが…。
…
精神疾患に関わらず、慢性疾患では、患者への正しい教育によって、日常生活の改善をすることが最も重要だ。薬も必要だが、ただ薬を飲めば治るというものではない。
そもそも病名のついた人が、医療機関にかかっているにも関わらず、困り果ててうちのような民間のカウンセリング機関を訪れることが、本来どうなんだ、と昔から思いつつ、実際にはうちに通って頂いて数ヶ月でも、目に見える改善結果が出る現実を見ると、本来助かる力のある人が、保険の効く医療機関で、どうしてもっと良くならないのかと、どうにも釈然としない、やりきれない思いがする。民間のカウンセリングは費用もかかるし、治療と唱うこともできない。「治す」と唱うことのできる医者が治さなくてどうするのだ。
一番困るのが、精神疾患には症状の波があるのは如何ともし難いことで、急な増悪の時に、頼みの綱の医療機関の予約がすぐには取れない。精神科救急でさえ、暴れるようなケースでなければ、病床が足りず受け入れを断わられる状態だ。我々民間のカウンセラーは、一体何を保険に仕事をしたら良いというのか。この20年、クライエントの急場の危機に、幾度薄氷を踏む思いで付き合ったか知れないが、特にここ数年、医療機関の緊急のサポートが得にくくなっている。
いや…現実を憂いていても仕方ない。必死で生きようとする目の前のクライエントに、無論私たちはできることで全力を尽くすだけだ。
しかし精神疾患だけの問題ではない。貧困、介護、障がい者支援、保育、教育資金、何につけてもソーシャルサポートの体制が不足したこの国の現状を憂う。
落合美沙
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