アドラー心理学の講座の準備を始めて、私の心の支えになっている亡き恩師の教えに、アドラーの哲学がかなり入っているのに気づいた。恩師は交流分析の専門家で、あまりアドラーが話題に上ることはなかったが、交流分析とアドラーの基本理念が大変似ているせいかも知れない。

まず原因論ではなく目的論であること。主体性の重要性…できないと言わず、したくない、する気がないと言い換えること。誰の問題かをはっきりさせること。アドラーにおける共同体感覚は、交流分析では親交親密な関係性。準拠枠、つまり自分の現実の見方、解釈の仕方で人生は変わること。咄嗟に出てきた偽物の感情…二次感情ではなく、本物の動機と向き合うこと。批判というネガティヴな関わりではなく、建設的な問題解決を目的に伝えること。

恩師が口癖のように繰り返し教えて下さったことは、アドラーの解説書に書かれていることと同じだ。恩師は素晴らしい教育者で、勇気づけの天才だった。

私は真実良い師匠と巡り合った。誇りを持って、私は判家憲司先生の弟子だと言える。恩師が長年に渡り人格障害の重篤なクライエントを大勢抱え、病に倒れられた後を引き継ぎ、私が重篤なケースと逃げずに向き合ってこられたのは、恩師の愛情あるご指導の賜物だ。

「あなたは僕と同じ人生の課題をやっていく人だ。真摯に自己一致を極める苦しみに耐えていける強さを持っている。僕にぶら下がって仕事ばかり欲しがる人とは関わりたくない。 あなたは自分で仕事を創造する。だから僕はあなたと仕事がしたい。」

そうおっしゃって惜しみなく全てのスキルを伝えて下さった。実父と縁遠い私に、父親代わりの深い愛情を注いで下さった。

私も後継者を育てなければならない。この恩師の哲学を、私の代で絶やしてはならない。病む心を深い愛情で育て直し、人生を変える勇気を与え続ける志を、多くの心理を学ぶ人に伝えたい。

そして心理職を目指す人に、良きスーパーバイザーとの出会いが、後の仕事を大きく変えることを力説する。私たちの商品仕入れとは、自分の知識、技術、精神を磨くこと以外にはない。真摯に一生学ぶ姿勢でなければ、大切な唯一無二の人生を賭けて訪れるクライエントに失礼だ。

アドラー心理学入門、10月半ばからスタート。教える私の傍にまた恩師の魂はきっと戻って来るだろう。…それが何より嬉しい。

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落合美沙

落合美沙

代表理事一般社団法人日本イーブンハート協会
一般社団法人日本イーブンハート協会 代表理事 イーブンハートスクール校長 心理カウンセラー、フィトセラピスト、アートセラピスト イベントプロデューサー
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