あんまり体調悪いのでスーパー銭湯になるべく通うことにした。風呂に浸かりながら、柄にもないがちょっと説教臭いことを考える。風呂屋での妄想。

自分は運が悪いと思っている人は、どうか悪いことが起きませんように、と祈る。自分は運が良い、と思っている人は、起きることをみんな何かの役に立つ良いことだと思う。例外はもちろんあるし、何でもポジティブポジティブ!と拳を振り上げるのは嫌いだが、概ねそれだけの違いだ。

例えば自分に関係のある人が好ましくないことをしたとする。ある人はひどい人に出会って運が悪いと思う。またある人は、相手が自分に合わない人だとわかって良かったと思う。

叱られたら落ち込む人がいる。別の人は情報提供してもらってありがとうと思う。

失敗してもうダメだと思う人がいる。別の人は何が良くなくてどうすべきかわかって良かったと思う。

苦手な人の悪いところをあげつらっても、何一つ自分の特にはならない。でも、相手の何が自分にとって苦手なんだろう、と考える人は、自分にとって大切なことは何か、自分はどうして欲しいのかに気づく。その作業の中で自分のアイデンティティーを確かめる。

悲しみや怒りを感じたり表現することだって、悪いことじゃない。自分を労り、溜まった澱を吐き出せばデトックスだ。心の便秘は体に良くない。

私も過酷な幼少期を過ごしたし、今もあれはやっぱりひどかったと思う。でも、この仕事の訓練や勉強の中で、自分の辛さを何度も表現する機会に恵まれ、そのひどかった過去を、もう痛みなく思い出すことができる。その体を通した学びは、今の生業を支えてくれている。

鼻息ばかり荒くて、お金も大した能力もないが、そのお陰様で頼りないアカン人の私を助けてくれる沢山の人がいる。

体調の悪さや持病さえ、それをどう改善したら良いかと格闘するうちに、山ほどの情報が手に入った。門外漢の私が医学、生理学、栄養学や漢方薬なぞに詳しくなったのは、決して頑健ではない体のもたらした恩恵だ。

課題は解決されるべきもの、私には解決する力がある、助けてくれる人がいる、と考えると、課題こそ恩恵であり、新しい人生への扉だ。無駄なことは何もない。

そして私は、自分を実に幸せな人間だと思っている…能天気にも、風呂に浸かりながら、鼻歌混じりで。

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落合美沙

落合美沙

代表理事一般社団法人日本イーブンハート協会
一般社団法人日本イーブンハート協会 代表理事 イーブンハートスクール校長 心理カウンセラー、フィトセラピスト、アートセラピスト イベントプロデューサー