後進を育てるということ。

ビジネスの考えでは、それは最優先すべきことだが…

協会の運営という現実的な課題に囚われ、私はいささかそれを焦り過ぎた気がする。

恩師との関わりを思い出して改めて考える。師から独り立ちするということは、師を内在化させ、裡なる師との対話の中で、更に師を越えて、自分自身の唯一無二の在り方を確立させるという、孤独な営みに耐えてやっていくことだ。

私が伝えたいのは、「やり方」ではなく「在り方」だ。ここで教えていることは、方法論ではない。それを理解する人でなければ、私の後を任せることはできない。協会の将来においても、任された側にとっても、それでは後々困ることになる。

私が心理職を何故志し、誰のために、何のために教えてきたのか、原点に立ち戻って、これから先の運営を考えたい。私は多岐にわたる分野を教えてきたが、一つとして受け売りのものはない。自分の体を通し、咀嚼し、独自の方法を用いてきた。その多くの分野は別々のものではなく、関連性を持ち、全てが臨床現場での必然性があって手に入れてきたものだ。

伝えるべきはタスクではなく、哲学だ。それは簡単に、誰かに講義内容を教えたら私の代わりに現場に立ってもらえるようなことではない。

アシスタント、インターン制度など、協会講師資格の見直しも再度検討する。時間をかけなければ人は育たない。

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落合美沙

落合美沙

代表理事一般社団法人日本イーブンハート協会
一般社団法人日本イーブンハート協会 代表理事 イーブンハートスクール校長 心理カウンセラー、フィトセラピスト、アートセラピスト イベントプロデューサー